元工業大学生のドイツ修行記

ドイツの大学に留学した元工業大学生の備忘録のようなもの

Studieren im Ausland, Arbeit zu finden.

Grüß Gott!

前回更新からまたかなり時間が経ってしまいました( ^ω^)・・・

 

前回更新の後は修士論文研究に追われ、年末年始もろくな休みがないままなんとか合格をいただけるところまで研究を持っていき、2019年3月を持って大学院修士課程を修了しました。

 

そして年度が変わり4月、以前当ブログでもお伝えした某ロボットメーカーに入社となり、先週で社会人ひと月目の勤務が終わり今は連休を迎えております(10連休やったぜ)。

 ↓↓↓仕事探ししてた時の記事は以下から↓↓↓

himazin-deutschland.hatenablog.com

 


そんなこんなで社会人になってここまで過ごしてみて「留学と就職」についてまとめ直そうと思ったのでここに残しておこうと思います。

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      社会人になった今、私にとっての留学って何だったのか…?

 
私が留学してから早2年半が経ってしまいましたが、当時を思い返せば周りの留学仲間の中には「将来◯◯の仕事に就くために」とか、「海外で就職するため」ということを目指して留学する人は珍しく無かったように思います。また今でも、留学と就職を何とか結び付けたいと心に抱いて留学を志したり、留学先での活動に邁進している人もいることでしょう。


かく言う私も当時、現地大学の研究室での活動がメインだったものの、「海外で働くチャンスがつかめればいいな」と淡い期待を抱いていたのは確かです。


しかし蓋を開けてみれば、留学を通じて自分の実力不足を痛感し、技術者としてのキャリアを海外に一歩踏み出せず、こうして大半の日本人学生と同じように日本の会社に入社しているわけです。果たしてこれは留学の経験を活かせたキャリアになっているのでしょうか。


結果から言ってしまえば新卒採用の就活において留学の経験は直接的には活きてなかったなと思います。そもそも就職活動中も留学経歴をES等に書いていたものの、そんなに自分からアピールしていた覚えもありません……笑

面接でも多少は留学経験について聞かれたような気もしますが、技術系だったこともあり聞かれることの多くは技術的なスキルや質問、あとは希望理由とか他社の就活状況とかそんな感じでした。

 

ただ帰国してからこれまでの間、留学経験が他の側面においても全く活きなかったかと聞かれれば、答えはNOです。外国語でコミュニケーション取るのは2019年における一般的な日本人よりかはできる自信はつきましたし、留学先の大学で経験した語学学習制度を帰国後日本の大学で立ち上げる原動力にもなりましたし、私をきっかけに留学したり海外の大学に進学する決断ができたと何人かの方から言っていただけたこともありました。


そしてまた現地での経験や知り得た情報から、海外で仕事・研究することの現実を部分的ではありますが目の当たりにし打ちのめされた側面もある一方で、「今」だけでなく「その先」の自分におけるいくつかの可能性を前よりもイメージできるようになったと思います。その点では間接的ながらもファーストキャリアの選択に良い影響を与えたと感じています。きっと「今」はそれだけでも留学したことに十分意味があったのだと感じています。

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     将来の自分の可能性を広げてくれる留学であったと今は思う

 

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一方で就活した後、実際の仕事の中での業務と留学経験の関りですが、まぁ1か月も働いてない状態でそんなもん見いだせないです笑 今は会社の具体的な業務内容を1つ1つ覚えていってる段階ですから。というか今後も業務そのものと留学経験がリンクすることなんてあるのか、正直実感がないですね笑


働き始めて気づいたのですが、仕事っていうのは会社が組織である以上基本的に上から役割や具体的内容を任されるんですよね(当たり前のことなのに就活中はこの意識が抜けてたと今改めて思います…)。

その中で自分の持つ能力を活かしたり、周囲の人と協力したり、時には新たなアイデアを提案したりしながら進めていくわけです。これは別に海外の企業でも基本は変わらないはず。じゃないと組織としてやってけないですから。自分がリーダーになった組織でメンバー全員が頼んだことはやってくれないのに、好きなことだけやりたいと言ってくる状況を想像したらわかりやすいですかね笑

ですからそういった中で、某ほにゃほにゃゼミみたいな感じで仕事してて「あ!これ留学中にやったことあるやつ!」なーんて頻繁になる方がおかしいわけです笑

 

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         会社に入って分からないことだらけです笑

   まずは自分のスキルが活かせる仕事・場面を探さないといけませんね

 

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なんかここまで書くと「留学って就活とか仕事に役に立たないのか、がっかり」みたいな感じになってますが、結局は留学という手段をどう使うのか、ただただそれに尽きるなと。


留学経験者の中には、そういう人向けの就職活動イベント(ボストンキャリアフォーラムなど)に参加して内定を手にする人も少なくないですし、留学での活動をきっかけに自らが主体となって社会に貢献できる活動をしている人もいます。ただその人たちにとってもあくまで留学は一つの手段で、留学前あるいは留学途中で掲げた目的に対して留学の環境を活かした結果が、内定だったり、企業・法人団体・NPO等の設立だったりするんだと思います。

 

さっきも述べたように、私だって就活や会社内の業務といった「今」に留学経験は活かせてないものの、もっと長い目で見たライフプランあるいはキャリアプランという点では大いに良い影響したと思います。それは留学前から志していた「世界に通用する技術者になるための訓練する」という目的に対して留学という手段を使ってそれまで見聞きしたことなかったことを自分の五感で吸収できたからだと思います。

 

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現在2020年度入社に向けた就職活動の真っ只中ですね。このブログを読んでくださっている人の中には「留学したのにやりたいことが見つからない」とか、「留学したのに内定がもらえない」とか、「留学したら就職に不利になりそう」と思っている方もいるかもしれません。でもそれらに対して悲観的になる必要はないと私は思います。

 

留学したけどその先にやりたいことが見つからなかったのなら、それはきっとその留学では見つからなかっただけです。過ぎてしまったことをくよくよするよりも、別の所に隠れているあなたがやりたいことを探しに出かけたほうが有意義です。それは自分自身の留学とは別の思い出や経験の中かもしれませんし、身の回りや街中かもしれません。また留学での経験はその後に思わぬ所で活かせるかもしれません。それはその時を待ちましょう。

 

留学したのに内定がもらえないのなら、冷静に原因を考えましょう。留学したら誰でも就職できるなら私だって就活当初に志望していた会社にすんなり入ってました笑
特にこれまで留学経験をアピールしたものの結果が出ていないのであれば、「留学した」という事実のその先をアピールできているか見直すといいかもしれません。留学をして何を学んだか、あるいは何を身に付けたのか、はたまたどんな結果に貢献したのか。これらはできるだけ具体的な方が相手もあなたを評価しやすいと思います
(例)
*身に着けた技術的スキル
機械設計・回路設計・ソフト開発・プログラミング
*語学力・語学スコア
*貢献した数値的実績・獲得した賞 など

 

留学したら就職が不利になりそうと思っているのであれば、そもそもなんで留学するのか(したいのか)を見つめ直すのが良いと思います。

就職とか関係なく留学をきっかけに叶えたい夢があるならそれに結びつく留学になるよう準備・実行をすればいいです。留学を就職に繋げたいのなら、そうなるようにどう留学を計画・実践すればよいか考えればいいです。

留学して他の側面でのデメリットが大きそうということであれば、それを小さくできるような留学計画の変更を考えたり、あるいは留学ではなく別の形で海外に行ってみるとか、はたまた海外には行かないでもっと別の手段で自分のゴールに近づくこともできると思います。

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     ゴールはどこなのか、そのゴールに行きつくために留学は必要なのか。

      もしかしたら留学しない別のルートだってあるかもしれませんよ。

 

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以上、私の経験に基づいた内容ではありましたが、社会人になって改めて「留学と就職・キャリア」について感じることがあったのでまとめてみました。私もいつか仕事をしている中で「あぁ、あの時留学してよかったなぁ」と思えるように、社会人としての今、そしてこれからを精進していこうと思います。

 

それでは。Tschüss!