元工業大学生のドイツ修行記

ドイツの大学に留学した元工業大学生の備忘録のようなもの

Viele Optionen, Meine Entscheidung

Grüß Gott!

 

2月に入りミュンヘンは最低気温マイナスの世界から脱し始め、比較的過ごしやすい天気が続いています^^

寒さと積雪を理由に怠けていたジョギングも再開しましたが、案の定30分走っただけで足が悲鳴を上げてしまいました笑 仮にも中学生時代から日本を出るまで陸上部で体を動かしていたのですが、やはり当たり前だと思っていたことを環境が変わっても当たり前に続けるというのは難しいですね・・・継続は力なりとはまさにこのこと。

 

さてぇ、先日はバレンタインデーでしたね。最近は日本独特の”女子から男子へチョコを渡して愛の告白”文化も、”女子から女子に”とか”自分から自分に”みたいな傾向が多いと聞きました。バレンタインデーは日本ではお菓子メーカーの商業戦略として長年使われていますが、中身は少しずつ時代共に変わってきているんだなーなんて思います。

 

ではミュンヘンのバレンタインは?

ぶっちゃけ、街の中はバレンタインムードはほぼありませんでした!

なんなら、ムードがなさ過ぎて2日くらい前に日本国内からのSNS投稿なんかを見て気づいたくらいです笑

 

とはいっても、皆無というわけではありません。こちらをご覧ください↓

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バレンタイン当日に買い物をしに家の近くにあるショッピングモールに行ったときに撮影してきました。1枚目はチョコ売り場。たぶんバレンタインを意識して結構目立つところにおいてあるのですが、ご覧の通りまだまだたくさん残ってますね笑 そして誰も買う気配がない笑

一方で2枚目はそのチョコ売り場の向かいにあるお花屋さん。そこにはお花を買い求める男性たちの行列が!近くにもう1店舗お花屋さんがあったのですが、そこもたくさんの男性の方がお花を買いにきていました。

 

なるほど、これが話に聞くヨーロッパのバレンタインなのねぇ、と自分の目で確かめることができました。ただ、ヨーロッパから来ている学生数名にバレンタインのことを聞いてみましたが、やはり元々の宗教的・歴史的な意味合いはかなり薄いようで、商業戦略に使われたり(そもそも成り立ちが商業目的だと思っていた欧州学生もいました)、カップルや夫婦がプレゼント贈りあったり、美味しいご飯を食べに行ったり、といった認識のようです。

 

こんな感じで、日本に入ってきた西洋文化の本来の姿を垣間見たりするのは、やはり楽しいですね。異なる国・人種の人たちが歩んできた、あるいは今なお歩んでいる暮らしや人生を見聞きすると、自分のことも内省できて、すごく自分自身も生きている実感がわきます。

 

こっちにきてからというもの、言わずもがな知らなかったことや今まで考えたこともなかったようなことを考えたりするようになりました(それでもなお知らなきゃいけないこと、考えることは尽きないのですが汗)。

そしてこれからの自分の人生の中で、自分のアクション1つでまだまだ選択肢は増えるなぁと思っています。

自分で言うのもなんですが、私は昔から1つのことにのめり込むと周りが見えなくなるタイプです笑 だからそれに行き詰ったときにすごく息苦しいし、焦るし、ストレスを感じます。一度自分で決めたことは最後までやらなきゃとマジメに考えすぎてつぶれそうになることも今まで多々ありました。

しかし一方で、私は大学に入るために1年余分に勉強し、大学院というはたから見ればお前いつまで学生やってんだよという環境ですごし、あげく1年留学した後日本の大学の在学延長を予定しています笑 もうここまできたら、行き急ぐのを止めました笑 お父さん、お母さん、ごめんなさい笑

 

そんな面持ちの中で、日本を出る前からしばしば、”選択肢が多いことの重要性”を考えています。日本を出る前に、”豊かな人生とは選択肢が多いことだ”という人生哲学をある方から伺う機会があって、なるほどそういう尺度もあるのかと気づかされたのがきっかけでした。

 

学問や研究だけでなく、日々の暮らしやもっと先の人生スケールにおいて、自分で選べる”選択肢”が多いことは新たな発見や幸せな人生にどれくらい貢献するのでしょうか。

こんな例えにしてしまうのは我ながら雑だとは思いますが、レストランや喫茶店で選べるメニューが1つしかないお店ってなかなかないですよね。あったとしても、その1つしかないメニューがずば抜けて美味しくない限りは、多くのお客さんがそこにご飯を提供してくれる場所として(その他のサービスや、内装、接客態度などは今はとりあえず度外視して)魅力を感じて何度も足を運び、お店が末永く繁盛するということは生じにくい気がします。

 

これはあくまで僕の主観ですが、日本人はマジメで仕事熱心で、そこが例えばものつくりで言えばクオリティの高さなどに反映されてきているのかなと思う一方、中途半端が嫌いな国民性もあってか、重箱の隅をつついて結果的に停滞したり良く分からない方向に進んでしまっているようなケースが少なくないのかなと。こういうケースを様々なスケールの場において、選択肢の豊富さが多かれ少なかれ解決してくれる可能性を感じています。

 

しかし残念ながら、選択肢は黙って待ってても増えないのが普通です。逆に言えば、行き詰ったときこそ選択肢を増やしに行く絶好の機会なのではないでしょうか。再びレストランを例に出すとすれば、客足が途絶え気味な店の店長が新メニュー考案に着手するといった感じですかね。きっと他のお店に足を運んだり、修行に出たりして、勉強を重ねて、色々選択肢を探してくるのでしょう。その中できっと思わぬ料理に出会ったり、さらに洗練された料理へのヒントを得られるかもしれません。

 

では、いくつか選択肢を見つけたとして、どれを選ぶのが1番最善なのでしょうか?

こーれがまた難しい・・・ただ個人レベルの規模において社会に出ていない若造の私が最近思っていることは、

「自分で決めたことがしたーい!!」

ということに尽きます。(もちろん嫌々やらなきゃいけない場面もあるのは確かですし、逆に人に頼まれても楽しくやることだって私は可能だと思います) 

 

留学が始まってもう前学期があっという間に過ぎていきました。早いです。特に今週半ばまでは数は非常に少ないものの試験や英語によるプレゼンなどもあり、自分の意思とは無関係に、追われるように研究室に行きつつ、試験やプレゼンの準備をする日々でした。最高に生きてる心地しませんでした笑

 

そんな試験期間中、息抜きがてらネットに潜っていると、ある1人の日本人の講演の様子を見つけました。


ウメハラ「BeasTV」17/1/19 - 一日ひとつだけ強くなる 慶應丸の内シティキャンパス講演

名前は梅原大吾さん。この方は日本で始めてプロゲーマーになった方で、格闘ゲームの世界大会でも数多く優勝経験を持つ、この業界では世界的に有名な方です。

そんなプロゲーマーという、ある種自分の趣味の延長を通してお金を稼いで、国内外の様々なメディアからも注目され、周りから見れば日々楽しく生きているように見える梅原さんですが、ここ2年くらいゲームをするのが楽しくなかったと講演の中で語っています(動画内53分45秒あたりから)。

そしてその理由は、

「自分で決めていなかった。」「周りの顔色を伺っていた。」

からだと、自身で気づき、ようやくその退屈から最近脱せたとも語っています。

 

ゲームというはたから見れば単なる遊びの世界(※あくまで僕の思うプロゲーム界に対する一般の人たちからの目です)で、長年戦って世界の頂点に上り詰めた梅原さんが語る、

「自身の決断」「自身の人生」「周囲からの期待への応えかた」

には、今を生きる日本人に足りないパワーのようなものを私は感じましたし、留学という今を駆け抜けている私にも、この留学で何がしたいのか考え直すきっかけをくれました。

 

試験も終わり肩の荷が下りて、授業のない期間に突入しました。

研究は引き続き継続していきますが、自由な時間が増えたので、改めて留学が始まったころの自分を思い返したり、終わるころの自分を良くイメージして、”限られた時間で自分が本当にやりたいこと”をよく考えていきたいです。

 

ちなみにご紹介した動画は、先月行われた講演で質疑応答も含め2時間とかなり長めのものになっていますが、記載した部分からでも良いのでぜひ視聴して欲しいなと思います(でないと、この記事の落とし所が不明確で終わってしまうと思うので)。

もちろんお時間のある方はぜひ全部視聴することを私はおススメしますよ^^

選択肢とか変化とかそういうことに関しても語っています。

 

来週オーストリアザルツブルグに行くかもしれないので、次回は観光地紹介かなぁ。

ではではぁ。Tschüss!