工業大学生のドイツ修行記

ドイツの大学に留学した工業大学生の備忘録のようなもの

Fremdsprachen lernen und vergessen

Grüß Gott!

 

8月も終わりとなりましたが、まだまだ暑い日やら台風やら続きそうですね。今年の夏は日本だけでなくドイツをはじめ欧州各国も記録的な暑さに見舞われたようです。

とはいえ天気予報を見てみればミュンヘンはもう涼しくなってきている模様・・・あぁカラッとした日差しの中バルコニーでビールを飲んでいたあの日が懐かしいです笑

 

後1カ月もすれば日本に帰国してから1年が経ちます。日本にいるときの方が時間が早く過ぎているように感じます。これが良いのか悪いのかよく分かりませんが、少なくとも帰ってきてからここまでこれと言って成長を感じる場面はまだありません()

 

それどころか、ここ最近留学で少しはまともになった語学力が元に戻りつつあるなとハッとする瞬間が多々あり落ち込みと焦りを隠せません。

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 まず留学中の使用言語についてあまりちゃんと書いてこなかった気がするので、改めて書こうと思います(留学希望者などからよく聞かれる質問でもあるので)。

 

まず大学(授業)及び研究室では使用言語は英語でした。この理由としては、欧州をはじめ様々な地域から学生が学びに来ている環境では英語が自然と共通言語になる、という単純なものです。もちろん私のドイツ語能力が授業を受けたり、研究したりするほど長けてなかったというのもありますが…

他の国(特に欧州地域)から来た学生はやはり英語を非常に流暢に話していましたね。少なくとも授業を受けたり、専門的な内容をズバズバとディスカッションするには申し分ないレベルです(とは言えネイティブスピーカーと比べればゆっくりしゃべってるなという感じはします)。授業内のディスカッションで私が発言した時のあの教室の冷え切った空気感は今も忘れられません(^p^)ちなみに留学直前の私の英語試験のスコアはTOEIC740, IELTS 6.0でした。

大学内での他の言語に関して言えば、例えば欧州学生でもドイツでの大学生活をきっかけにドイツ語を勉強し始める人もたくさんいましたし、一方で英語があれば十分だと感じて外国語を学ばない人もいました。また4,5か国語を操る欧州学生に会うことも多々ありました笑

 

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一方で日常生活。ディスカッションで場を凍らせても、何とか英語で授業を聞いてある程度理解したり、意思疎通するくらいの力は留学前から持ち合わせていたので、それならドイツ語を勉強してみようと思い、留学に行く1年前から勉強をし始めました。

もちろん初めはアルファベットの読み方からって感じです。日本の大学の図書館で初心者向けの参考書を借りて1か月で基本の基をさらって、そのあとは大学の授業や学外の語学学校に通ったりして読み書きだけじゃなくて、会話の機会もできるだけ取るようにしました。この会話の機会がたくさんあったのが本当に良かったなと今でも思います。

現地の街中では語学力向上のためにドイツ語をできるだけ使うようにしていました。まぁそもそもドイツ語しか通じない状況が多々あったという現実もあります。なので事前に日々の生活に必要な単語や表現を知っていたこと、そして何よりも多少なり日本で培ったドイツ語で意思疎通を取るという経験のおかげで、スムーズにドイツでの生活に溶け込めたなと思います。

もちろんパーフェクトなドイツ語を私が話していたかと言えばそんなことは決してありません。だってネイティブじゃないですから笑

それでもドイツ語が全くできなかったら、スーパーで欲しいものを探すことも、レストランで炭酸抜きの水を注文することも、おばあちゃん郵便局員相手に手紙の出し方を聞くことも、散髪の予約をすることも、鍵を家に閉じ込めて事務所に電話することも、旅行先で素敵な出会いに恵まれることも無かったと思います。たった1つの言語を学ぶだけで解決できた問題や得られた経験がたくさんあったことは今でもとても印象に残っています。

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 写真は現地に着いて1日目の夕食。たぶんこの注文が現地で一番最初にドイツ語を使った場面でした。ピザの大きさを聞いたものの、店員さんが言ってたよりうんとデカくて食べきれなかったのもいい思い出です笑

 

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そんなこんなでドイツにいるときは英語とドイツ語に囲まれて生活していたので、自分の学習意欲と相まって留学が終わるころには、多少の文法の崩壊と語彙レベルの問題はあったものの、言いたいことを簡単な英語やドイツ語ですっと頭の中で構築して口に出すことができていなたなぁと今振り返ると思います。聞き取りに関しても今に比べたら当時は聞き返すことが少なかったように思います。

 

ところが今となってはどうでしょう。日々の使用言語のほぼ100%が日本語です。数日前の夕飯が思い出せなくなるように、習得した言語能力も維持しようと努力をしない限り忘却していきます。日本の研究室に外国人留学生がいるのですが、時が経つにつれ言いたいことを構築して口に出すスピードが遅くなってきているのを感じます…( ;∀;)幸い読み書きの能力だけはあまり衰えていないとは思います(伸びているとは言っていない)。

 

改めて語学学習をする上で、あるレベルまでは日々の使用言語環境の影響が大きいな思う次第です。その点で言えば短期の語学留学も意味あるものなのかなと私は思います(人によっては短期語学留学をクソミソに言う人もいますが…)。

 

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自分のことを棚にあげるつもりはない一方で上から目線のようで大変恐縮ですが、正直「日本人は英語ができない」というイメージが少なくとも自分の中にはまだあります。

ただそれはあって然るべき現状なんだとも思います。いろんな国の人たちが行き交うドイツでも世代が上になればなるほど英語がダメな人は珍しくないですし、向こうで知り合った私たちと同じアジア圏(例えば中国や韓国)出身の学生の話を聞けば、彼らの国の街中を英語で切り抜けるのは難しいとのことです。

 

つまり英語教育のシステムそのものだけでなく、日々の課題解決や人々とのコミュニケーションにおいて英語をはじめ外国語を使わざるを得ない状況がどの程度あったかという経験を無視できないなと思うわけです。

逆を返せばそう言った経験を積めば積むほど、実質的な語学レベルの向上に関しては確実なことは言えませんが、少なくとも外国語を学ぶ・使うということに対するハードルはググッと下がると感じています(実際に自分がそうでした)。

一例として私の留学中にはるばる私を訪ねてきてくれた友人の話をします。彼はその時が初めての海外で、英語力は並みの若い世代の日本人程度。それでも私が教えてあげた簡単なドイツ語を使って買い物したりレストランで注文してみたりする経験を通じで、きっと彼の中で外国語を学ぶことあるいは外国に行くことに対して何かしら変化があったのかなと思っています。

彼は私が帰国するころに単身ロシアのウラジオストックに旅行に行ったり、ちょうど今も北欧の方にいたりと、突然国外に足を運ぶようになりました!でもただ単に行くだけじゃなくて、彼はきちんと旅行先で必要そうな現地語(数の数え方とか注文の仕方とか)を予習してからそれを実践して帰ってくるんですよ(ロシア語が通じたと嬉しそうに言っていた印象に残っていますね)。そこに関しても本当に感心します。

 

ただ単に日本に留まっているとそう言った状況を強いられることは少ないですよね。留学前は「留学」という明確な理由が目の前にありましたが、現状外国語を必死に勉強しないといけない短期・中期的な目的が見いだせずにいます(もちろん長期的に考えて勉強した方がいいとは思ってますが、人間は怠惰な生き物なので長期的目標だけでは行動に移しにくいです…)。そう言った中でどうやって外国語を学ぶモチベーションと運用するチャンスを逃さないようにするかは、今の自分に取っても最大の課題です。

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      何事にも目的意識とモチベーションの維持が大切というわけです。

 

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以上のことを踏まえて、英語(外国語)学習に関して私が同じくらいの世代の日本人に伝えたいことは以下の3つです。

  • 公文書とか外交とかビジネスレベルとかではないなら、日本の中高レベルの英語表現で問題なく意思疎通できる(もちろんより高みを目指すに越したことはないです)
  • 話す・聞くはまずは習うより慣れろ(実際に外国語を運用してリアルな人間とコミュニケーションをする方が刺激が強い)
  • 目的意識(学校の成績、異文化交流、ビシネス、エンタメ、恋人探し etc.)をもって外国語学習に取り組むべし(目的がないなら別に学ばなくてもいいと思いますし、むしろそうでないと続けるのが難しい)

最初の1歩として外国語学習に対するハードルをできるだけ下げられるような経験を積極的に積むこと、そしてそのあとは具体的な目的を設定した上で継続して学習できる工夫をすることがカギになってくるのかなと素人なりに思う次第です。

 

とまぁ自分の経験に基づいて色々述べたわけですが、細かいところをつつけば人によって向き不向きな語学学習スタイルが色々あると思いますので、その辺はご容赦ください。それでもこの記事を読んで「外国語学んでみよう」とか、「他の国の人とおしゃべりしてみたい」とか思ってくれたなら、この記事を書いている人間としては嬉しく思います。

 

ではまた、次回の記事で会いましょう。

Tschüss!