Osternurlaub Nr. 1: Aachen
Grüs Gott!
4月も中旬を過ぎ、ドイツで咲いていた桜たちもすっかり緑色になってしまいました。
そんなドイツは14日から17日までの4日間は、復活祭(英語だとEaster, ドイツ語だとOstern: 復活祭が何か知らない方はぜひググってみてください)の連休で、例によって研究室が閉まってしまうということで、思い切って遠出をすることに。
そんな今回の旅の最初の目的地は、ドイツ・オランダ・ベルギーの3つの国が交わる地点に近い町Aachen(アーヘン)。ここには日本人の友人が留学していることもあって、ドイツに来た当初から訪れたいと思っていたところでした。
ミュンヘンから約560km、電車に揺られることおよそ6時間。アーヘン駅に着きました。
この町は古代ローマ帝国時代から、温泉地として発展して来た歴史を持っており、今もその名残で温水プールとドイツ式サウナを兼ね備えたスパ(後ほどご紹介)が有名とのこと。その証拠として町の中に温泉が地下を流れているところがあります。
少し分かりづらいですがマンホールから湯気が出ており、日本の温泉地でも漂っている硫黄の匂いがこのあたり一帯を包んでいました。
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またこの町にはユネスコ世界文化遺産の1つである、アーヘン大聖堂が存在しています。この大聖堂は8世紀後半から建設が始まって、少しづつ大きくなって今の形になっているとのこと。
16時ごろに大聖堂を訪ねてみると、中では復活祭のための礼拝を行なっておりそれが終わってから一般開放とのことで、少し町をぶらついてから再度大聖堂の前に。
礼拝が終わると中からたくさんのクリスチャンの方々が出てきました。日本だとあまりなじみのない宗教的な祝日なこともあり、現場でのリアルを多少なりとも目の当たりにすることができ、訪れた甲斐がありました。
(本当はこのタイミングなので礼拝を拝見させていただきたいとも少し思っていたのですが、さすがにそれは難しそうだったので潔く諦めました。そもそも観光のための行事ではないのは、重々承知してましたし、毎回教会を訪ねる時は、教会関係者の方や、中でお祈りされている信者の方に失礼にならないよう気をつけているつもりです)
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町の散策も終わり、いよいよ楽しみにしていたスパ "Carolus Thermen"へ。
温水プールは水着着用で男女共用。話には聞いてましたが、お湯の温度がとにかくぬるい笑 1番暖かいものでも37,38度くらいだったと思います。「久々のお風呂だ!」と楽しみにしていたので、正直少し悲しかったでしたがこれも異文化体験ということで。一方それでもヨーロッパ人の皆さんは気持ち良さそうにしておりました。
ただ特筆すべきはサウナです!ドイツではサウナは男女共用で、何も着用しないのが一般的!(女性専用のものもありましたが、他のサウナ文化のある欧州諸国でもこれが一般的のようです)
これも事前に話は聞いており、お風呂・サウナ文化を持つ日本人としては一度は経験せねばと思っていたのですが、いざサウナコーナーに行くと勝手が分からず挙動不審に笑 シャワー室から出てきたドイツ人男性(もちろん全裸)に勝手を尋ねてざっくりと説明してもらい何とか事なきを得ました。
サウナコーナーの全体像は写真の通り(施設パンフレットより)
サウナの小部屋に入るまでのスペースは基本的にみなさんタオルを巻いて歩いていますが、小部屋に入ると躊躇することなくタオルを取って、日本でもおなじみの木でできた段差に腰掛けます。このとき座るところを汗で汚さないようにタオルを敷いてから座るのがマナーです。
小部屋の中は少し薄暗いのですが、それでも見えるものは見えます笑 しかし、同じ空間にいる人全員がそのような格好で淡々と暑さに耐えているのを見ると、人間不思議と何も感じないものです。
しばらくすると、スタッフの方がハーブエッセンスの入った水を持って小部屋に入ってきて、サウナの説明をしてくれます(ドイツ語なので全然分からなかったですが・・・)。説明が終わると持ってきた水をピシャリとサウナストーンにまいて蒸気を発生させ、持っているバスタオルでお客さん全員に熱波をかけてくれます。これがそこそこ熱いのですが、ハーブの香りと相まってなかなか心地良いのです!
上記以外にも異なる種類のサウナがいくつかあり、地図の右上に見えるプールでは、サウナ後にシャワーで汗を流した上で、クールダウンがてら裸で泳いでいる人たちの姿もありました笑 サウナコーナーにアジア人は私1人でしたが、西洋人の方でもタオルを取ってサウナに入るのに抵抗がある方は少なからずいるようで、タオルを巻いたまま利用している方もいましたので、必ずしもタオルを取って入らないといけないというわけではないようです。参考としてドイツ人の方々がサウナの入り方についてどう思っているのかの記事(英語)を以前見つけたので貼っておきます。
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さてここからは、もう少し真面目なトピック。
今までもいくつかの記事の中で、ドイツの戦争やナチスに関する歴史について取り上げてきましたが、今回も町の中でいくつか関連のあるものを見つけてきました。
こちらはアーヘンの市庁舎。この建物も14世紀頃に建てられたものでかなり年期が入っています。そんな建物の壁にこんなものが。
"Wege gegen das Vergessen(Ways against forgetting)"と書かれたこの記念碑にはどうやら、ナチスがアーヘンをはじめとする多くの都市で、共産主義者などのナチスに敵対する政治的勢力を弾圧し政治的権力を掌握したことの説明と、そのことを忘れず未来に伝えていくことへの誓いが記されているようです(Google翻訳ありがとう)。
またこちらは、町の中心から少し外れたところにある教会なのですが、この教会に仕えていた若い助任司祭が当時のナチスの親衛隊SS(Schutzstaffel)に抵抗したことで、ミュンヘンにあるダッハウ強制収容所に連れて行かれたという経緯が記してありました。
himazin-deutschland.hatenablog.com
それから、町の地図を眺めているとSynagogenplaz(シナゴーグ広場)という場所を偶然にも発見。シナゴーグというのはユダヤ教の教会のこと。日本人的発想だと、教会というとキリスト教の教会をイメージしがちということもあり、ぜひ違いを見てみたいと思い、足を運んでみることに。
ただそこあったのは、シナゴーグが"かつて建っていた"ということを示すモニュメントだけでした・・・
ご存知の通りナチスは国策としてユダヤ人の迫害を行い、ドイツ国内にあるシナゴーグの破壊をも多く行ってきました。ここアーヘンもその対象となり、ここに住んでいたユダヤ人の人たちが宗教的・民族的な迫害を受けたという歴史が残されていました。
このように、今のドイツが過去を顧みて民主主義がどうあるべきかを強調し、また当時ナチスのやり方に否を呈した人たちやナチスから迫害を受けた人たちの存在を未来に残そうという意識が垣間見れます。(これに関して色々と思うところもあるのですが、長くなるのともう少し知識や考えをまとめてからにしたいので、また別の機会に)
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長くなりましたが、もう1つだけ町で見かけた興味深いものが。
日本人の方(このブログを読んでくださっているほぼ全員がそうだと思いますが)は、このマークを見ると「あっ・・・!」と思ってしまう方も少なくないのではないでしょうか?
お分かりの方もいるかもしれませんが、これは原発反対を表明するステッカーです。このマークが町中をあるいていると、様々なお店や民家、はたまたギムナジウム(ドイツの中等教育機関)にも貼られていました。
すでに原子力開発撤廃を進めているはずのドイツで、なぜこのマークがと思い気になって調べたところ、アーヘンから60,70km離れたところにベルギー保有のTihangeと呼ばれる原発があるそうで、そこでかつて構造的な欠陥が見つかったこともあり、近くに住むアーヘン市民にとって不安の種となっているようです。
また、日本の東日本大震災による福島原発の事故が、このTihange原発のリスク調査のために引き合いに出されるケース(以下参照 ドイツ語)もあるようで、私たちの国が今なお直面している問題が不幸にも世界を引き付けてしまっていることを思い知らされます。
しかし、ベルギーサイドの事情も少しですが調べてみると、もともとエネルギー資源の乏しい国であるということから原子力開発に頼ってきたという経緯などもあるようで、今ではエネルギー供給の大部分を原子力が占めているようです。となると現実的に考えて、具体的な代替案もなしにいきなり全部止めるというわけにもいかないわけですね・・・
この件に関しても、これ以上は長くなりそうなのと欧州での原子力開発事情をそこまでちゃんと把握しているわけではないので、あまり深入りしませんが(昨今非常にホットな話題なので、誤ったこと言及しないよう避けてるのは正直否定しません)、単純にこちらの事情を日本に丸々当てはめるというわけにもいかないと思いますし、逆に私たちの国のエネルギー開発の今をきちんと理解したうえで、未来をどうするかを考えないといけないなぁと、ハッと気づかされた、そんな一幕でした。まだまだ知るべきこと、考えるべきことは尽きないですね。
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他にもいくつかアーヘンネタはあるのですが、今回はとりあえずこんな感じ。
次回はアーヘンを後にして訪れたケルンでの様子をお伝えしたいと思います。
最近、このブログが単なる旅行記になってきている気がしてならないのですが、できるだけ真面目なことも混ぜていこうと努めてますので、その辺少なからず感じてもらえると嬉しいです(汗)
ではまたぁ
Tschüss!